余生を過ごすには平屋の住宅の方が身体への負担は少なく、住居内で起こりうるケガのリスクも低く快適に過ごせるかもしれません。家族構成によっては二階建にしないと部屋数の確保など様々な問題とぶつかるかもしれませんが、今回ご紹介するのは夫婦にお子様お一人の家族の住まい。自然豊かな環境に木のぬくもりが溢れるゆったりとした雰囲気の平屋住宅です。岩川卓也アトリエが手掛けたこちらの住まいは山並みに溶け込むような優しいファサードを持った気に包まれるような平屋の住宅。昼間には自然光の明るい住空間、夜には暖かな照明と木の素材感が雰囲気のいい空間を演出してくれます。
敷地があるのは、年間を通して比較的温暖で富士山を身近に感じることのできる静岡県。太平洋からの潮風と富士の裾野の緑豊かな山々に囲まれるゆったりとした場所です。最初に目に飛び込むのはトーンを抑えたナチュラルな木柵に包まれた外観。背景の山並みに溶け込むように平屋の外形と、風景とが違和感なく馴染む装いです。ちょっぴりモダンな雰囲気も感じる外観は外部からの視線を濁してくれるようなデザインに。
室内に踏み込むと広がるのは今にも木の香りが漂ってきそうな程の木素材が使われたナチュラルな空間。白い壁に一層際立つ床や天井、建具などの木素材。L字型でつながるリビングとキッチンには縁側のような緩衝空間が設けられています。ガラスの建具で覆えば住空間と自然が緩やかにつながり豊かな住空間に。外部とダイレクトに繋がるようでコントロールのできる空間は風や光、温度を快適に保つことが可能に。
リビング側から見通す室内。ハイサイドライトからの採光が空間に気持ちよく広がる明るい空間です。ホワイトベースのリビング天井は空間に一層広がりを感じることもできます。大きく確保された開口はローカウンターの高さに合わせたゆったりとした雰囲気を感じる仕様に。ソファに腰を下ろした目線高さでもキッチンまで見通すことのできる空間は家族の気配と暖かな雰囲気を感じることができます。
シンプルな寝室からは山並みを望む眺めのいい空間。自然に馴染みやすい配色でまとまった室内インテリアから、山並みの緑を身近に愉しむ事ができます。平屋でありながらも、程よい高さの木柵と景色のバランスは開放感を感じることも。晴れた日の朝、起き抜けの視線に飛び込む景色がこんな景色だったら、一日のエネルギーを充電できそうな眺めですよね。