木造・鉄筋コンクリート造の良さを活かした家づくりを。それぞれの長所とは?

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
板の家, スズケン一級建築士事務所/Suzuken Architectural Design Office スズケン一級建築士事務所/Suzuken Architectural Design Office Living room
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住宅を建てるとなると、木造あるいは鉄筋コンクリート造で計画する方がほとんどになります。様々な工法がある中で、そうした木材やコンクリートを用いた家づくりは、特に魅力の多いものになるのです。しかし、そのためにはそれぞれの良さを活かしながら住まいづくりを進めていくことが大切になります。そこで今回は、スズケン一級建築士事務所の手掛けた住宅を見ていきながら、木造と鉄筋コンクリート造の長所を紹介していきたいと思います。  

木造:日本の気候風土に合った昔ながらの工法

まず木造の長所から見ていきましょう。その一番に挙げられるのが、日本の気候風土に合った昔ながらの工法であることではないでしょうか。日本の気候の特徴の1つは、何と言っても夏のジメジメとした湿気、そして冬のカラカラに乾燥する空気です。こうした湿度変化に対して、木材は調湿機能を持っているため、年中を通じて快適な住環境を実現してくれるのです。こちらの住まいは、大量の書籍が収納できるように部屋のあちこちに本棚が備え付けられていますが、木造であれば、構造から家具までまとまりをもってつくり上げていくことも可能となります。

写真:畑亮  

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木造:比較的安い建設コスト

他の工法と比較すると、建設コストが安くなることも木造の良さの1つとなります。材料費や工事費が抑えられることはもちろんですが、木造はコンクリート造のものよりも建物の重さが軽いため、基礎や地盤改良に必要となる費用もあまりかかりません。そうした安いコストでそのまま建てることもできますが、こちらの住まいの吊り構造で支えられている2階の床のように、通常の構造とは違ったアイデア溢れる造りを取り入れて、他にはない魅力的な空間をつくり出してみてはいかがでしょうか。  

木造:持続可能な建材

近年は、ただ家を建てるのではなく、出来るだけ環境負荷のかからない持続可能な家づくりということにも注目が集まっています。そうしたサステナブルな住宅にしていく上で、木造は最も適した構造だと言えます。というのも、建材に用いられるような樹齢の大きな木材は、年々二酸化炭素の吸収力が落ちていくため、そうした高樹齢の木材を伐採し、代わりに若い木を植林していくことで、二酸化炭素吸収量の多い森にしていくというサイクルを助けることができるのです。また、鉄筋コンクリート造を建て替える際は古い部材を再利用することができません。しかし、木造であれば、あらゆる部材を再び様々なかたちで使っていくこともできます。

写真:Eugene Makino / united LIGHTs  

【古材については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 古材の特徴と魅力を徹底解剖!


鉄筋コンクリート造:優れた機能面

次に、鉄筋コンクリート造の長所を見ていきましょう。その特長としてまず挙げられるのが、優れた機能面です。例えば、地震の揺れに対して強さを発揮してくれる耐震性、火事が生じても燃え広がったり、火をもらうことも少ない耐火性、さらには開口部以外に壁などに隙間がほとんど生まれないことから、気密性や遮音性についても高い性能を発揮してくれます。

写真:上田宏  

鉄筋コンクリート造:自由な形態や大空間の住まい

上でも少し述べたように、鉄筋コンクリート造は木造よりも強度が強いため、柱のない大空間をつくれたり、曲線の壁など自由な形態の住まいにもすることができます。一方でコンクリート造の無機質な雰囲気が気になるという方もいらっしゃると思います。こちらの鉄筋コンクリート造の住まいでは、家を突き抜けるように木板が、玄関のベンチや下駄箱、リビングの読書ベンチや勉強机、台所のダイニングテーブルなどとして家の象徴となって設えられています。こうしたように、上手に木の温かみも住まいに取り入れていきながら、コンクリートの良さも活かしてみて下さい。

写真:上田宏  

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