家と言えば生活を送る空間です。そこで眠り、食事を取り、そして家族と過ごすことになります。ですが場合によっては生活送るだけでなく、仕事をする場所になるかもしれません。特に自営業を営む人では、仕事場と生活する場が同じ建物になることもあるでしょう。そこで今回紹介したいのは、そんな仕事場兼住宅の建物です。それは2つの空間が違和感無く組み合わせれたものになっています。
今回紹介する家を手がけたのは一級建築士事務所すずき。多くの家が建ち並ぶ住宅地に「木箱の家」と呼ばれる家が建てられました。家の設計を依頼したのは美容室を営む奥さんと、執筆活動を続ける旦那さんのご夫婦。奥さんは美容室や着付けのための空間を必要としていました。そして旦那さんが必要としていたのは執筆を行うための部屋。そこで仕事場を盛り込んだ住宅が建てられることになりました。
そんな家の中にあるのは仕事場と住まいです。1階にあるのは美容室。そこには外壁同様にナチュラルな空間が広がっています。1階で目に付くのは木の天井。壁や床などは一切装飾の無いシンプルなものになっていますが、天井は2階を支える構造が露わとなっており、シンプルな空間にアクセントを加えています。このような印象的な空間は、訪れたお客さんを優しい雰囲気で迎え入れてくれるでしょう。
1階部分には美容室だけでなく、着付けのための空間及び奥さんの寝室があります。そんな2つの空間を仕切るのは段差や建具。空間を仕切れば、プライベートと仕事の空間を切り分けることができます。建具を収納すれば、家の正面側から裏側までが1つの空間となり、風が通り抜けます。そして家の中でも風を感じられ、開放的な感覚を得ることができるでしょう。
2階にあるのは旦那さんの仕事部屋やキッチンやダイニングなど。こちらも外観や1階同様に木の素材感を活かした暖かな空間が生み出されています。中心部分には建具があり、それによってプライベートと仕事の時間を切り分けることができます。もちろん、こちらでも同様に1つの空間にできるため、家の中で風が感じられ、心地よく過ごすことができるのです。
このような家で大きな特徴となるのは、仕事を行わない際に、仕事の空間をプライベートのために活かせること。仕事を終えた後に建具を収納すれば、空間は広くなり、そ風は家の中を通り抜けます。また空間に統一感があるため、仕事の後には広々としたナチュラルな空間で落ち着くことができるでしょう。このように本住宅で仕事場はプライベートの生活にも大きく貢献するようになっているのです。