町家暮らしの魅力

A.Imamura A.Imamura
花しょうぶ通りの家(江戸後期の町家のリノベーション), タクタク/クニヤス建築設計 タクタク/クニヤス建築設計 Asian style houses
Loading admin actions …

町屋や古民家には、使い勝手だけでは測れない素敵な魅力が隠されています。木のぬくもり、暖かく落ち着いた雰囲気、昔ながらの知恵や美学が詰まった居住空間を見直してみましょう!今回は、町家暮らしの魅力をご紹介していきます。

町屋には天然素材に囲まれた空間が残る

町屋や古民家の魅力は、何といっても天然素材を使用した住居空間の贅沢さにあります。塩化ビニルや樹脂材の床や壁ではなく、昔ながらの質の良い和紙や木材を使用した障子や梁、床材、また畳や塗り壁などが残る家は、日本の気候にあった昔ながらの優しい住まいと言えます。「自然に住む」無添加住宅は、近年人気の住まいの在り方ですが、実は町屋は天然素材に囲まれたとても贅沢な住居空間です。

こちらでは「時代の記憶を残していく町屋リノベーション」を紹介しています。

町屋ごとに個性が異なる

京町屋は、間口が狭く奥行きが深い「うなぎの寝床」と呼ばれる間取りが特徴的です。こちらは一級建築士事務所EXPOがリノベーションを手がけた築60年を超える京町家。写真に見られるように、多くには裏庭があり、また玄関から裏庭までの土間の部分を「通り庭」と呼びます。このような庭は、採光や風通しを良くする役割をまかなっています。こちらは京都に建つ住まいですが、地域によって異なる間取りがあり、古民家ごとに住居空間の個性が異なる点に愛着と価値があります。

下町風情の残るエリア

町屋や古民家の残る地域は、下町風情の残る風情が魅力の一つと言えるでしょう。こちらは、歴史的風情の残る彦根市中心市街地の花しょうぶ通り商店街に面する住まい。このような下町風情の残るエリアは、お祭りなどの行事も多く、人情味も感じられる他、交通の便や小さな街の商店もまだ残っており、生活のしやすい立地と言えるでしょう。

知恵と美学の中庭

昔の町屋や古民家の住居空間は冷暖房や換気設備がないため、自然の力をうまく取り入れることで快適に暮らしてました。例えば、内部の間取りは、通り庭、続き間、坪庭などは、風通しを良くし蒸し暑い夏を冷房無しで涼しく過ごすための工夫の一つです。縁側から石灯籠が置かれたを眺め季節の移ろいを感じるなんて素敵ですね!町屋や古民家には、昔の知恵や美学が詰まっています。

梁は現在の吹き抜けと同様に

町屋や古民家の構造は、天井板を貼らずに小屋組を見せる形があります。梁を見せる高い天井高は、当時、台所の煙抜きの役割を果たし、梁組の多くは真っ黒に煤け、時間の経過を感じる独自の雰囲気が魅力です。また、屋根面に付けて引き窓を配置し、天井から光が入ってくる構造を作り出します。昔は、梁組などの構造を見せることでその家の水準の高さを表現し田と言われています。現在でも人気の高い吹き抜けと同じような役割を果たしています。

クレジット: Atsushi ISHIDA

再生リノベーションでより住み良く

築百数十年の町屋や古民家は、 冬の隙間風で寒さが厳しいこともしばしば。 断熱改修や気密性能を強化するリノベーションで冬も暖かく過ごすことができるようになります。こちらは、古き良き間取りを保ちながらリノベーションした住まい。長年の内装の痛みや経年劣化が気になる箇所をリノベーションし、古民家の良さを現代に蘇らせます。古い住まい特有の不便さは、修繕の手間や建具のメンテナンスを楽しみ、また長く愛着を持って住み続けられるポイントと言えるでしょう。

Need help with your home project?
Get in touch!

Highlights from our magazine