ペアガラスで快適な室内空間に!その特徴とメリットまとめ

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
山の手ロケーションハウス, ホリゾン アーキテクツ ホリゾン アーキテクツ Living room
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ペアガラスという言葉を聞いたことはあっても、それが住まいにもたらしてくれる効果をご存知ではない方も多いのではないでしょうか。それは、冬の寒さだけではなく、夏の暑さに対しても、室内空間を快適にしてくれる役割を果たしてくれます。そこで今回は、ペアガラスの特徴とメリットについて紹介していきたいと思います。まだ取り入れていないという方は、是非これを機に窓ガラスを取り替えてみてはいかがでしょうか。

ペアガラスとは

ペアガラスとは、2枚のガラス板がその間に中間層をつくりながら、2枚組で1つの窓ガラスを構成しているもののことを言います。日本では、単板ガラスというガラス1枚の窓ガラスがまだまだ一般的ですが、それに対して、ペアガラスは主に断熱性能を向上させる目的で用いられています。こちらの株式会社山崎屋木工製作所が手掛けた住まいのように厳しい寒冷地にある住まいのために、3枚のガラス板と2つの中間層で構成されるトリプルガラスというより断熱性能の優れた窓ガラスもあります。そうした複数枚で構成される窓ガラスをまとめて、「複層ガラス」と呼ばれています。

写真:Shingyo Ozawa

中間層でより優れた断熱効果

複層ガラスには中間層が設けられますが、その中間層には空気や真空、あるいはアルゴンガスなどが中に密閉されます。アルゴンガスは、空気よりも熱伝導率が低いため、中間層に空気が使われているペアガラスよりも断熱性能の高い窓ガラスとなります。また、中間層の幅が6mm、12mmといったように大きくなることによっても断熱性能が上がります。中間層が真空になると、気体による熱伝導がなくなるので、中間層の幅を小さくしながら高い断熱性能を実現することができます。

結露防止にもなるペアガラス

複数枚のガラスを使って、外気と室内空気を遮断することになるので、窓ガラスに結露が発生することもほとんどありません。特に結露が発生しやすい冬において、単板ガラスでは外気に冷やされた窓ガラスが直接暖かい室内空気に触れることになるので、暖房器具で室内を暖め始めるとすぐに結露してしまう家も多いのではないでしょうか。ペアガラスでは、2枚の窓ガラスに加えて、その間に中間層があるので、室内側の窓ガラスまで外気の冷たさが伝わりにくくなり、結露もほとんど発生しなくなります。

高い省エネ効果でより自由で快適な住まいづくり

断熱性能に優れた複層ガラスを開口部に採用することで、窓の断熱性の心配もなくなり、より自由で快適な住まいづくりを進めていくことができるでしょう。住宅において最も熱の出入りが大きい部分は窓になります。断熱性能が低い単板ガラスでは、出来るだけ小さな窓にしたり、吹き抜け空間を避けることもあったかもしれませんが、ペアガラスであれば、大きな開口にしても断熱性の心配もありませんし、開放的な吹き抜け空間を設けることもできるでしょう。

Low-E複層ガラス

Low-E複層ガラスとは、英語で「Low Emissivity=低放射」を意味します。このタイプの複層ガラスは、中間層にあるガラス面に特殊な金属膜を設けることで、放射による熱の移動を抑えています。それにより、夏は強烈な太陽の熱を反射し、冬は室内の暖房による熱を室内に保つことができます。

写真:Shigeo Ogawa

サッシの断熱性や窓の気密性にも注目

開口部の断熱性は、複層ガラスを採用するだけで大きな効果を得られますが、それに加えてサッシの断熱性や窓の気密性にも注目してみて下さい。窓ガラスは結露しなくても、サッシの断熱性が低ければ、サッシ部分が結露してしまうこともありますし、窓の気密性が低ければ、いくら断熱性が優れた窓ガラスでも、隙間風が入ってくるような暖房効率の悪い住まいとなってしまいます。サッシは素材によって断熱性やデザインも異なってくるので、こちらの「住み心地を良くする窓・サッシの素材の選び方」も是非参考にしてみて下さい。

写真:矢野紀行/矢野紀行写真事務所

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