閉じた外観でも開放感を感じられる機能的な住宅

敷地があるのは兵庫県多可郡、周囲には山並みや田畑の広がる穏やかなロケーションです。見た目はいくつかのボックスが集合したようなフォルムに真っ白な外壁で閉鎖的な外観。外部からは窓がついているのか疑問を抱いてしまう程のシンプルさで内部の様子を伺い知ることのできないモダンなデザイン。まさに漢字の「囲」をイメージしたような平面プラン。プライバシー性を重視した安心感のあるプランです。

玄関エントランスに踏み込むとホワイトカラーをベースに滑らかさを感じるようなソフトトーンの木フローリングが広がるナチュラルなインテリア。控えめな照明だけでも十分な明るさを感じることできるシンプルなインテリアは上品さすら感じることができます。

外観にみた閉じた印象の塀が包んでいた中庭は家族の集まるパブリックスペース。たっぷりと差し込む太陽の光が温かく心地の良さを感じることができます。晴れた日には開口をフルオープンにして光や風をダイレクトに味わえる屋内外が一体的に感じられる居場所に。外観の閉鎖的な印象とは裏腹に周囲の自然を取り込む住空間です。

ワイドな開口と中庭を望むダイニングスペース。外観からの予想を裏切るように、屋根と塀の合間に覗く周辺の山並みや爽快な青い空が開放感のある空間に。オープンスタイルのキッチンからダイニングテーブルまでは、一貫した天板や、フロアのトーンと統一された家具配色もあってスッキリとしたナチュラルシンプルテイストの飽きのこないデザインに。プライバシーをしっかりと確保しながらも開放感ある空間、両極端にも思える要素が両立されたような安心感のある快適な住空間です。

家の中央に位置するのは大容量の収納力をもった本棚のあるフリースペース。各室と接続する空間ながら扉を締め切ると閉じた印象のあるスペースに。フリースペースに収まる収納力絶大のオリジナル本棚が何とも迫力のある空間です。可能な限り無駄な装飾を省いたインテリアによって、ミニマルに過ごすシンプルさが光や風をじっくりと感じられる豊かな住空間になるのかもしれませんね。