異文化テイスト、ご当地文化を取り入れた建築づくり

HOUSE-04(renovation), dwarf dwarf Classic style garden
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文化や気候などの違いによって、建築物の造りは変わるもの。長い時間を経て作られた建物の形は、その地の環境に沿った理にかなったものが多くみられます。逆にグローバル化によって異国風の建物に憧れて、異文化テイスト満載の家を建てることも。今回は、そんなその土地ならではの建物、外国っぽさを意識した家という両極端な例をご紹介します。伝統的な形とハイカラなおうち、どちらがいいか迷っている方は必見です?!

環境や文化に根付いた素材を使った建築

建築は、その周りの環境や文化、用途によってもさまざまに変化を遂げてきました。近辺で確保できる建築資材を使った家づくりは、人類が誕生してから当たり前に進めてきたこと。近代以降には、生活文化の多様化ゆえに日本でも洋間を持つ家が増えてきたり、逆に日本趣味な欧米人が和室っぽい空間を作ったりすることも稀ではなくなってきているようです。そんな中でも、昔ながらの文化を見直す動きから、その地に根付いた家の形や素材を重視する人たちも多くなってきています。こちらは、大森建築設計室の手による土佐漆喰の家。雨に強い素材をファサードに使うことで、台風などの悪天候にも長く耐えうる家づくりを実現しています。周囲に家が立ち並んでいないこちらのような場所では、このように環境に合わせた資材選びが大切になりますね。

Photo: 森武史

屋根付きテラスで異文化風の建築を

こちらのお宅は古い家をリノベーションしたもの。古い日本家屋ながらも、庭に面した部分に屋根付きのテラスを作りつけることでどことなくアメリカンテイストを感じられる住宅に大変身です。屋根の形状は瓦葺で日本っぽさが残っていますが、白い柵や梁、柱を擁したテラススペースは、アメリカ西海岸の住宅でも目にするような異文化テイストが強く感じられるようなデザインです。リノベーションでも、ベースが古い日本家屋であっても、ここまで外国風にできるのは驚きですね。

気候に合わせた建物づくり

日本の伝統的な家屋は、夏の暑さに対応できるように作られています。こちらのお宅は沖縄に建つ物件。不思議な形がとても特徴的ですね。沖縄の石灰岩が積み重ねられており、これを伝って芝の敷かれた屋根の上に上ることができます。屋上緑化を施すことで、夏季の屋根の温度上昇を抑えられるため、省エネ効果が期待できます。緑が屋根にあることで、紫外線や酸性雨による建物の劣化を防ぐことができるのも大きな利点ですね。夏の長い沖縄では特にぴったりな工夫です。

古い街並みに合わせて

集落に建つ家では、街並みを意識したのデザインが大切。例えばこちらのお宅は、彦根の歴史的な情緒の漂う商店街に建つ町屋です。江戸後期に建てられてから昭和の改装で現代風にアレンジされたファサードが、今回のリノベーションで杉板仕上げと明るい色の格子戸で、まるで昔の建物がそのまま残っているかのような雰囲気さえ感じられます。内装は、オリジナルの構造を保持しつつ、モダンにデザインされているため、長く愛される家になっています。

カントリーハウスで異国風に

IターンやUターンなど、田舎暮らしを始める人が増えてると聞きます。過疎化した地区では空き家となった民家が提供されることも多いようですが、新築して新生活を始めるのもいいですよね。田舎でもおしゃれに暮らしたいという方では、ログハウスに憧れを抱いている人もいらっしゃるのでは?欧米の山小屋っぽさを感じさせるログハウスでは、田舎にいながらどこか異国っぽさも感じられて、日常の中に自国の文化と異国のそれとを同居させることができそうです。

土地に合った素材と建て方を

前述のとおり、気候に合った過ごしやすい家づくりは、どんなデザインの建物であれ、とても大切。こちらのお宅は、過ごしやすさを重視しつつも、デザイン性やその土地ならではの建築資材を使い、さらに機能性も保持しているところが秀逸です。鹿児島のシラス台地に建っている住宅のファサードは、シラスを素材として作られたブロックでできています。耐火性、調質性、断熱性、蓄熱性、軽量など多くの特徴を持った素材で作られているため、夏にも冬にも過ごしやすい空間づくりが可能になります。土地のものを使いつくして居心地よい空間ができるなんて、ステキですね。

Photo: Daici Ano Co., Ltd.

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