倉庫をリノベして手に入れた自分たちの「HOME」

Michiko JUTO Michiko JUTO
HOME BASE, 株式会社PLUS CASA 株式会社PLUS CASA Living room
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自分のライフスタイルと身の丈に合った住宅にこの上ない快適さを感じるのは幸せなことですよね。本日紹介するのは、建築家の自邸です。何と仕事場に併設する資材置き場として使用していた倉庫をリノベーションによって居住スペースにしたプロジェクトで、住居獲得だけでなく職住近接という利便性も手に入れました。PLUS CASAが手がけたリノベーションプロジェクト、さっそく見てみましょう。

大空間をそのまま生かす方法

予算の関係で外観には手をつけず、その代わり暗かった倉庫を一掃し、開口部からは自然の移ろいを感じられる樹木のパノラマ風景をふんだんに取り入れています。床面積215㎡、高さ5mという恵まれた大きさを持つがらんとした空間での最初の課題は温熱環境の調整でした。自然に囲まれた環境を生かし、川水や薪を利用したエネルギー獲得を試みています。最小限の住機能をまとめて配置した以外は大空間を大雑把にゾーニングしています。リビングの背後の水平方向に連続する窓が刻々と変化する太陽の光や風になびく樹木の風景を十分に取り込んでくれます。

家族のための明るい空間

壁面、天井、床など空間を構成するエレメントを明るい色調でまとめているため、大変明るく心地良い空間が生まれました。元倉庫だなんてなかなか想像できないのですが、鉄骨の構造体の柱梁、ブレースがインダストリアルな雰囲気を程よく残しています。

存在感のある薪ストーブはとっても実用的

お洒落な薪ストーブが存在感を醸し出しています。もちろん機能的にも大変優れた薪ストーブの背後に配置したコンクリート壁は、実は蓄熱と放熱による暖房効率を高める役割をしているんです。

生活感を感じさせない工夫

そしてコンクリートの壁の裏は薪のストック、クロゼットや収納の機能を持たせたバックヤード的なスペースとして使われています。壁一面に設けた造作の家具は手に入りやすいインダストリアルなマテリアルを採用したラフな仕上がりですが、収納力は抜群です。目隠し的なコンクリート壁のおかげで生活感を感じさせません。

無機質な空間に暖かみを添える有機的な木目の壁

大空間を長手方向に伸びる15mのLVLの壁は仕切りとしての機能だけでなくクローゼットと床下収納を内包しており、家族みんなで使えるスペースになっています。ナチュラルな木目が無機質で単一な印象の倉庫空間に暖かみを添えつつ、変化を与えています。

必要な機能を一箇所にまとめる方法

LVLの壁の壁の裏側はこんな感じです。余計なモノはリビイングやダイニングから排除したような設定ですが、決して窮屈な感じではなく、あくまでも他の空間と緩やかに繋がった収納スペースを賢く機能的に設けています。段差を設けた下部は床下収納が広がります。

優れもののキューブ型水廻り空間

もう一つ大空間を仕切るエレメントとして白いキューブが存在します。この中にはキッチン、パントリー、バスルームなど水廻りを中心とした機能を収めています。上部はロフトとして使用できるようになっており、空間を最大限に利用しています。

外から全く見えないキッチン

キューブの中に集約されている機能を見ていきましょう。箱の外からはワークトップや換気扇が見えないように立ち壁や垂れ壁を設けていますが、シンプルで清潔感のあるステンレスのキッチンが対面式に配置されているんです。くり抜いた開口からはダイニング、リビング、そして外の風景が眺められる開放的かつ機能的なキッチンですね。背後にはパントリーも設けているので収納力も抜群です。

パウダールームも明るい色調でまとめて広々と

こちらはパウダールームです。シンプルな木材を利用した造り付けの洗面カウンターと収納、そして大鏡が空間に広がりをもたらします。使いやすそうな水廻り空間です。

ミニマルなデザインの浴室

モルタルの床で仕上げたインダストリアルな雰囲気が漂う浴室にエレガントな置き型バスを取り入れています。半透明のガラスで仕切った廊下からは窓を通して採光を確保したミニマルなデザインが素敵ですね。

家事に役立つ真似したいアイデア

とっても便利なアイデアを見てみましょう。自立しているキューブの周囲は回遊できるようになっており、その南側の通路を物干しスペースにしています。天候に左右されることなく洗濯物が干せるのは本当に助かりますよね。何よりも主要な生活空間からは一切見えない位置にあるのがポイントです。是非参考にしたいアイデアです。

自分たちに合ったライフスタイルが実現できる家

個室は最小限のスペースを確保しています。山小屋のような籠もり感のある部屋はこどもにとっては、秘密の基地のようできっと楽しい空間なんでしょう。この住居の住人である建築家曰く「自然と共にある暮らしを実感し、質素でも自分たちのライフスタイルに合った家で子供たちと暮らすことの豊かさを私たちは今、身をもって体現している。」まさにその通りの家が倉庫のリノベーションによって生まれました。

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